デフェラシロクス

商品名 エクジェイド
一般名 デフェラシロクス
発売開始年月 2008年6月
販売 ノバルティス
形状 錠剤(125mg、500mg)
効能又は効果 輸血による慢性鉄過剰症(注射用鉄キレート剤治療が不適当な場
合)
疾患の背景 骨髄異形成症候群及び再生不良性貧血などの難治性貧血患者には
支持療法として赤血球輸血が行われている。しかし輸血に用いられる
赤血球濃厚液には1単位中約100mgの鉄が含まれている、一方、人
体から1日に排泄される鉄量は約1mgに過ぎないため、頻回の赤血球
輸血により生体の処理能力をはるかに超え、鉄が蓄積される。過剰
鉄により生じる酸化ストレスにより、肝臓・心臓・膵臓・甲状腺・下垂
体・その他の内分泌器官などの多臓器に広範な障害を引き起こし、
心不全などの致死的な障害の原因となる。血清フェリチンが1000又
は2000ng/mLを超えると、臓器障害や生存期間に影響することも報
告されているEur J Haematol 78: 487-494, 2007。また一方、鉄
キレート療法の実施によって生存率が高く維持されていることも報告
されている。
効能又は効果に
関連する使用上
の注意
@輸血による慢性鉄過剰症の治療は、まず注射用鉄キレート剤によ
る治療を考慮し、本剤は血小板減少や白血球減少を併発していて注
射による出血や感染のおそれがある患者あるいは頻回の通院治療
が困難な場合など、連日の鉄キレート剤注射を実施することが不適
当と判断される患者に使用すること。
A本剤は、原疾患の支持療法のために現在及び今後も継続して頻回
輸血を必要とする患者に使用すること。
B本剤による治療を開始するにあたっては、下記の総輸血量及び血
清フェリチン値を参考にすること。
1)人赤血球濃厚液約100mL/kg以上(成人では約40単位以上に相
当)の輸血を受けた場合。
2)輸血による慢性鉄過剰症の所見として血清フェリチンが継続的に
高値を示す場合。
用法及び用量 通常、デフェラシロクスとして20mg/kgを1日1回、水100mL以上で用
時懸濁し、空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜増
減するが、1日量は30mg/kgを超えないこと。
注意 (1)本剤の薬物動態は食事の影響を受けやすいため空腹時に服用
し、服用後30分間は食事をしないこと。
(2)1ヶ月あたりの輸血量が人赤血球濃厚液7mL/kg未満(成人では4
単位/月未満に相当)の場合には、初期投与(1日量)として10mg/kg
を投与することが望ましい。
(3)投与開始後は血清フェリチンを毎月測定すること。用量調節にあ
たっては、患者の血清フェリチンの推移を3-6ヶ月観察し、その他の
患者の状態(安全性、輸血量等)及び治療目的(体内鉄蓄積量の維
持又は減少)も考慮して5-10mg/kgの間で段階的に増減を行うこと。
なお、本剤投与により血清フェリチンが継続して500ng/mLを下回っ
た患者での使用経験は少ないので、本剤による過剰な鉄除去には注
意を要する。
(4)本剤投与によって血清クレアチニンの増加があらわれることがあ
るので、投与開始前に血清クレアチニンを2回測定し、投与開始後は
4週毎に測定すること。腎機能障害のある患者や、腎機能を低下させ
る薬剤を投与中の患者では、腎機能を悪化するおそれがあるので、
治療開始または投与量変更1ヶ月間は毎週血清クレアチニンを測定
すること。本剤投与後、成人患者では、連続2回の来院時において、
治療前の平均値が33%を超える本剤に起因した血清クレアチニンの
増加が認められた場合には10mg/kg減量すること。減量後も更に血
清クレアチニンが増加し、かつ施設基準値を超える場合には休薬す
ること。
相互作用 (1)アルミニウム含有制酸剤(マーロックス、コランチル等):両剤の作
用が減弱する可能性がある。
(2)シクロスポリン(ネオーラル、サンディミューン)、シンバスタチン(リ
ポバス)、ミタゾラム(ドルミカム)、経口避妊薬等:これらの薬剤の作
用が減弱するおそれがある。
副作用 下記
重大な副作用 1)ショック・アナフィラキシー様症状(頻度不明)
ショック・アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察
を十分に行い、血管神経性浮腫、アナフィラキシー等の異常が認めら
れた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2)急性腎不全(頻度不明)、尿細管障害(0.1-1%未満)
急性腎不全、陣尿細管障害(ファンコニー症候群)があらわれること
があるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には休薬す
るなど適切な処置を行うこと。
3)肝炎(0.1-1%未満)、肝不全(頻度不明)
肝硬変や多臓器不全等を合併している患者において肝不全が認めら
れているので、定期血栓性微小血管症系な肝機能検査を行い、異常
が認められた場合には休薬し、適切な処置を行うこと。
4)胃潰瘍(多発性潰瘍を含む)(0.1-1%未満)、十二指腸潰瘍(0.1-
1%未満)、胃腸出血(0.1-1%未満)
これらの症状、疾患が認められた場合には休薬し、適切な処置を行う
こと。
5)聴力障害(難聴)(0.1-1%)
難聴等の聴力障害があらわれることがあるので、観察を十分に行
い、異常が認められた場合には減量又は休薬するなどの適切な処置
を行うこと。
6)水晶体混濁(初期の白内障)(0.1-1%)、視神経炎(0.01%-0.1%未
満)
水晶体混濁、視神経炎があらわれることがあるので、観察を十分に
行い、異常が認められた場合には減量又は休薬するなどの適切な処
置を行うこと。
総合製品情報概要より抜粋

頻度不明
10%以上
1%-10%未満
0.1%-1%未満
0.01%-0.1%未満
精神障害 - - - 不安・睡眠障害 -
-神経系障害 - - 頭痛 浮動性めまい -
眼障害 - - - 黄斑症 -
呼吸器障害 - - - 咽頭痛 -
胃腸障害 - - 下痢・便秘・嘔吐・
悪心・腹痛・腹部
膨満・消化不良
胃炎 食道炎
肝胆道系障害 - - 臨床検査値異常
(AST・ALT増加)
胆石症 -
皮膚及び皮下組織障害 白血球粉砕
性血管炎・
蕁麻疹
- 発疹・掻痒症 色素沈着障害 -
腎及び尿路障害 - 血中クレアチ
ニン増加
蛋白尿 - -
全身障害 - - - 発熱・浮腫・疲労 -

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