タシグナ

新薬情報(製品紹介より抜粋)
商品名
タシグナカプセル(200mg)
一般名
ニロチニブ
販売
ノバルティスファーマ株式会社
形状
淡黄色の不透明の硬カプセル。1カプセル中にニロチニブとして200mgを含有する
効能、用法
および用量
イマチニブ抵抗性の慢性期又は移行期慢性骨髄性白血病
通常、成人にはニロチニブとして1回400mgを食事の1時間以上前又は食後2時間以降に1日2回、12時間毎を目安に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する
*食後又は空腹維持に内服すると本剤の血中濃度が増加、タシグナは血中濃度依存的にQT感覚延長作用を有することが示されており、この点から空腹時に服用する必要がある
(効能又は効果に関連する使用上の注意)
(1)本剤の投与はイマチニブ効果不十分又はイマチニブに忍容性のない患者を対象とすること
(2)イマチニブに忍容性のない患者に本剤を投与する際には、慎重に経過観察を行い、副作用発現に注意すること→イマチニブに忍容性のない患者においては同様の副作用が起こるおそれがある
特性
1.イマチニブ抵抗性の慢性期又は移行期の慢性骨髄性白血病の治療薬
2.慢性期慢性骨髄性白血病において、国内臨床試験で93.8%(15例/16例)、外国臨床試験で43.2%(57例/132例)に細胞遺伝子学的効果(major cytogeneic response、MCyR)が得られ、その治療効果が得られるまでの期間はいずれも中央値2.8ヶ月であった
3.慢性骨髄性白血病発症・増悪の原因となるBcr-Ablチロシンキナーゼに対する高い選択性と強い阻害活性を示した
4.グリベック抵抗性Bcr-Abl変異体を発現した細胞窩部33種のうち、32種の細胞増殖を抑制した
5.食後の1時間以上前又は食後2時間以降に1日2回、12時間後とを目安に経口投与する
6.国内臨床試験における副作用は白血病患者34例中33例(97.1%)にみられた
副作用
主な副作用は発疹17例(50.0%)、好中球減少症(35.3%)、頭痛、悪心各11例(32.4%)、血小板減少症、嘔吐各10例(29.4%)、白血球減少症、高ビリルビン血症9例(26.5%)、貧血、発熱各8例(26.5%)、高血糖6例(17.6%)等。検査値異常として血中ビリルビン増加9例(26.5%)、リパーゼ増加8例(23.5%)、ALT増加、血中リン値増加各6例(17.6%)。
重大な副作用
1.骨髄抑制
2.心筋梗塞・狭心症
3.心電図QT延長:8%の頻度で出現する。QT間隔延長が認められた場合には減量および休薬とともに電解質異常(低カリウム血症、低マグネシウム血症等)の補正を行うこと。
4.心不全
5.心膜炎
6.出血(頭蓋内出血、消化管出血、後腹膜出血)
7.感染症
8.肝炎・肝機能障害・黄疸
9.膵炎
10.体液貯留(胸水、肺水腫、心嚢液貯留、うっ血性心不全、心タンポナーデ)
11.間質性肺疾患
12.脳浮腫
13.消化管穿孔

用量調節
1.好中球減少・血小板減少時の休薬・減量基準案
A.慢性期慢性骨髄性白血病
*好中球数<1,000/μl又は血小板数<50,000/μlの場合には好中球数≧1,000/μl又は50,000/μlに回復するまで休薬
**2週間以内に回復した場合には400mg1日2回の用量で再開。2週間以内に回復しない場合には患者の状態により400mg1日1回に減量。
B.移行期慢性骨髄性白血病
*好中球数<500/μl又は血小板数<10,000/μlの場合には好中球数≧1,000/μl又は20,000/μlに回復するまで休薬
**2週間以内に回復した場合には400mg1日2回の用量で再開。2週間以内に回復しない場合には患者の状態により400mg1日1回に減量。
2.肝機能検査値及び膵機能検査値上昇時の休薬・減量基準案
A.肝機能検査値
*ビリルビン値>施設正常値上限の3倍又はAST、ALT値>施設正常値上限の5倍の場合にはビリルビン値<施設正常値上限の1.5倍、ASL、ALT値<施設正常値上限の2.5倍に低下するまで休薬
**400mg1日1回に減量して再開
B.膵機能検査値
*リパーゼ値>施設正常値上限の2倍の場合はリパーゼ値<施設正常値上限の1.5倍に低下するまで休薬
**400mg1日1回に減量して再開
3.QT間隔延長時の休薬・減量基準案
*480msec以上の延長があった場合には休薬し
**2週間以内に450msec未満かつベースライン値からの延長が20msec以内に回復した場合には400mg1日2回の用量で再開。2週間の休薬以降も450msec以上480msec未満の場合には400mg1日1回に減量して再開し、再度、480msec以上の延長が認められた場合には投与を中止する

グレード3以上のその他の非血液系の副作用が発現した場合にはグレード1以下に回復するまで休薬。投与を再開する場合には400mg1日1回に減量するなど注意すること。


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