グラセプター

商品名 グラセプター
一般名 タクロリムス水和物徐放性カプセル
発売開始年月 2008年5月
販売 アステラス製薬株式会社
形状 硬カプセル剤(0.5mg、1mg、5mg)
効能又は効果 1.腎移植、肝移植、心移植、肺移植、膵移植における拒絶反応の抑

2.骨髄移植における拒絶反応及び移植片対宿主病の抑制
(効能・効果に関する使用上の注意)
(1)腎移植及び肝移植以外の新規臓器移植患者に対する有効性及び
安全性は確立されていない。
(2)骨髄移植時の使用に際し、HLA適合同胞間移植では本剤を第一
選択薬とはしないこと。
用法及び用量 骨髄移植時:移植1日前から移植後初期は1回0.12mg/kg、1日1回朝
経口投与する。
開発の経緯 タクロリムス水和物は1984年に発見されたマクロライド構造を有する
化合物であり、Tリンパ球の活性化を選択的に阻害し、強力な免疫抑
制作用を有しております。タクロリムスはプログラフとして骨髄移植領
域において1994年に「骨髄移植における移植片対宿主病治療」、
1999年に「骨髄移植における拒絶反応及び移植片対宿主病の抑制」
が効能・効果として追加されました。臓器移植患者は生涯にわたって
免疫抑制剤の服用が必要であり、その間の服薬不遵守は急性拒絶
反応、臓器廃絶、慢性拒絶反応、骨髄移植においては移植片対宿主
病を引き起こす主要因であると報告されていいます。また腎移植患者
での移植臓器機能廃絶リスクは遵守良好患者より7倍高くなるという
報告も見られます。日本の腎移植患者を対象としたアンケート調査で
は服用を時々忘れる人は47%、よく忘れる人は6%でした。また免疫
抑制剤の服用は1日1回投与がよいと回答しています。これは1日2回
投与と1日1回投与の服薬回数の差が服薬遵守と有意に相関すると
報告されていることの裏付けとなります。
これらの状況から移植臓器の長期生着や患者の長期生存のための
服薬遵守の改善及び維持は移植医療の重要な課題であるとし、1日1
回投与の新規経口製剤グラセプターカプセルの臨床試験が開始され
ました。その結果、グラセプターカプセルはプログラフカプセルに劣ら
ない安全性と有効性を有し、グラセプターカプセルはプログラフカプセ
ルに劣らない安全性と有効性を有し、タクロリムス血中トラフ濃度のモ
ニタリングによって投与量の調節が可能であることが判明しました。
副作用 グラセプターを新規に投与した骨髄移植における拒絶反応及び移植
片対宿主病の予防症例15例での主な副作用・臨床検査値異常はサ
イトメガロウイルス感染、クレアチニン上昇、BUN上昇、β2ミクログロ
ブリン上昇、尿酸上昇および尿蛋白陽性でした。グラセプターの投与
を注しするに至った副作用・臨床検査値異常は血糖上昇、HbA1c上
昇およびクレアチニン上昇でした。プログラフカプセルからグラセプタ
ーに切り替えられた腎移植症例35例で、複数例に認められた副作用
は発熱および鼻咽頭炎でした。臨床試験において認められた副作
用・臨床検査値異常においてグラセプターに特異的なものは認められ
ませんでした。
重大な副作用 1.急性腎不全、ネフローゼ症候群(各5%未満)
2.心不全、不整脈、心筋梗塞、狭心症および心膜液貯留(各5%未
満)、心筋障害(5-15%未満)
3.中枢神経系障害:全身痙攣、意識障害、錯乱、言語障害、皮質盲、
片麻痺等の脳症(5%未満)
4.、脳血管障害:脳梗塞、脳出血等の脳血管障害(5%未満)
5.血栓性微小血管障害(5%未満)
6.汎血球減少症、血小板減少性紫斑病(各5%未満)
7.イレウス(5%未満)
8.皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(5%未満)
9.呼吸困難(5%未満)
10.感染症(15%以上)
11.リンパ腫等の悪性腫瘍(5%未満):Epstein-Barrウイルスに関連
したリンパ増殖性疾患あるいはリンパ腫
12.膵炎(5%未満)
13.糖尿病(5%未満)、高血糖(15%以上)


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