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HOME > 診断と治療 > グリオーマ疾患について 目次 > グリオーマ疾患について1

グリオーマ疾患について

1) 浸潤度、増殖度の高い神経膠芽腫の治療

神経膠腫(グリオーマ)には、幾つかの種類があり、病理所見悪性度によって、グレード1から4に分類されています。
この中で、グレード4の神経膠腫は、神経膠芽腫とよばれ、最も浸潤度、増殖度が高い腫瘍です。
平均的な生命予後は3ヶ月から5年であり、2年生存率は30%以下、5年生存率は10%以下とされています。
正常な脳に浸潤するように増大していくという腫瘍の性質から、手術単独での治療は困難であり放射線治療や化学療法との組み合わせで治療が行われています。
2005年にRoger Stuppらが、放射線単独療法と比較して、放射線とテモゾロミド(化学療法)の併用治療の方が生存期間が延長するという論文を発表しました。
放射線単独では平均生存期間が12.1ヶ月でしたが、放射線とテモゾロミドの併用療法では14.6ヶ月と、2.5ヶ月の生存期間の延長が得られたという報告でした。
(N Engl J Med. 2005 Mar 10;352(10):987-96. Radiotherapy plus concomitant and adjuvant temozolomide for glioblastoma.)

現在は、手術後に放射線治療とテモゾロミドによる化学療法を行う事が一般的となっており、当院でもこの治療を神経膠芽腫の標準治療として用いています。

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放射線のみの治療と放射線・テモゾロミドの併用の治療での生存期間の比較