国内留学報告(北海道 我汝会えにわ病院)

平成27年卒 脊椎グループ 小林祐人

平成27年度入局の小林祐人と申します。令和2年4月から令和3年3月まで、北海道えにわ病院脊椎班で国内留学をさせて頂いております。この度は同門会誌への報告という貴重な機会をいただき、感謝を申し上げます。

えにわ病院は札幌市と新千歳空港の間に位置し、札幌駅へは電車約25分で到達できます。北海道で開催される学会の際に、新千歳空港から札幌駅まで電車で向かう途中、JR恵庭駅の目の前に望むことが出来ますので、見覚えがある先生方も多いと存じ上げます。

今年は新型コロナウイルスの流行もあり、他県からの患者様は目立ちませんでしたが、脊椎外科の手術件数は、例年と変わらず月50-60件で推移しており、脊椎外科の治療需要の高さが感じられました。外科手術に関しては整形外科のみであり、股関節外科、膝関節外科、肩関節外科を加えて150床の整形外科単科病院としての形態を成しております。

私が北海道に移動して参りました3月末日は、路面脇には雪が残り、上着なしでは過ごせない寒さでありました。4月中は目を覚ますと窓から雪が降り、6月までは長袖なしでは肌寒く感じる環境でありました。通常、北海道では6月中旬から下旬にかけて蝦夷梅雨というものが存在するようですが、雨が降ることはあっても身体に纏わりつく不快な湿気を感じることはなく、ハワイのようなカラっとした快適さを感じております。本州と比べて生態系も異なるせいか、セミの鳴き声も聞かれることがなかったのが印象的でした。
私は例年先生方がお住まいになられていたハイツ(ワイズガーデン)を利用させて頂き、徒歩1-2分程度で都会のストレスを感じることなく通勤しております。

研修内容

私が研修させて頂いている脊椎班は、百町貴彦院長、柳橋寧副院長、安倍雄一郎先生、小甲晃史先生がご在籍されており、2019年度手術実績は690症例にものぼります。2020年度の脊椎外科研修医は私を含め3名が在籍しております。例年の脊椎外科研修医は2人でございますので、例年よりは助手症例数は減り、週4-5件を担当しております。
道内全体から患者さんが来院されるため、症例内容も様々で、Medial facetectomyによる腰椎後方除圧術、腰椎手術後偽関節や変性側弯症に対するOLIF手術、頚椎前方固定および椎体亜全摘手術、AIS前方後方矯正固定術、などcommon diseaseから大学病院で経験されるような疾患も含めて第一助手として理解を深めております。除圧の際には、マイクロドリルを用いることはなく、骨ノミでの骨切除がメインとなります。対側の除圧はご指導いただき、日々習得に励んでおります。また症例数が多く患者さんのフォローアップ率が高いため、多数回手術症例を経験できたのが非常に良い機会となりました。瘢痕組織や硬膜との癒着の展開は先生方によって異なりますが、routine手技は一貫しており、大変参考になります。また手術手技だけではなく、各先生方の手術indicationを学び、その術後経過をたどることが出来ます。安倍先生、小甲先生には、研究指導もして頂き、えにわ病院での股関節手術症例と脊椎手術症例を関連づけた研究(脊椎手術後患者の股関節痛残存患者に関して)に取り組んでおります。

今年は新型コロナウイルスの影響で歓迎会等は開催されず例年よりはイベント行事は少ないようですが、大阪市立大学整形外科研修生として温かく迎えて頂いております。また脊椎外科を目指す近しい世代の先生方と一緒に働くことが、日々刺激を受け大きな財産となっております。

繰り返しになりますが、北海道えにわ病院への国内留学の機会を与えて頂き、中村教授、高岡名誉教授、木村理事長、百町院長、同門の諸先生方に深く御礼申し上げます。今後とも御指導御鞭撻の程、宜しくお願い致します。

ページ先頭へ