大阪市立大学大学院医学研究科細胞機能制御学教室


2006年度  
原谷 浩司

3年生の夏から5年生の春まで約2年間、広常研で研究に携わらせて頂きました。当時、没頭していた部活動のラグビーを怪我で続けられなくなった僕は、以前から興味を抱いていた基礎医学の研究室で、残りの大学生活を過ごしてみようと思い、“広常研”の門を叩きました。突然の不躾な訪問にも関わらず、広常先生は快く受け入れて下さり、僕の第2の大学生活が始まりました。2年間、山田先生(当時:助教)の直接の御指導の元、Lis1関連の機能解析の実験に携わらせて頂きました。医学生の身分でありながら、一流生命科学雑誌のEMBO.Jco-authorとして名を連ねさせて頂くという貴重な体験も出来ました*1。3年生当時、学業成績では再試験の常連で、留年こそはしていなかったものの非常に出来の悪かった僕が、プロの研究者の先生方と関わり、一流レベルの研究に携わらせて頂いた事は本当に貴重な財産となっています。
 基礎医学研究のmentalityは、将来臨床医として医療現場に立ち、病に苦しむ患者さん達を診療していく上でも非常に大切だと思っています。僕自身、言葉では上手く言い表せない力が身についた様に感じています。医学生は、6年間という長い学生生活を与えられています。この6年という長い期間は、命という掛替えの無いものに関わる僕達医学生に与えられた特権でもあり、また責務でもあると思います。

全国の医学生の皆様、大阪市立大学の皆様、長い学生生活を研究室で過ごしてみるのも凄く楽しいですよ!もしかしたら子供の真似事に過ぎないかもしれません。でも、きっと得るものは大きいです。そして、大学の成績なんて関係無い(あんまり言ったら怒られますが・・・)、情熱とやる気さえあれば、社会に貢献出来るチャンスが待っています!!
部活じゃ物足りない人、彼女(彼氏)に振られて落ち込んでいる人、平凡な日々に疑問を感じている人、学生生活の一環として基礎医学研究に熱意を注いでみませんか!?


謝辞

広常先生、山田先生はじめ“広常研”の皆様、御面倒ばかりおかけしましたが、本当に有難うございました。今思えば、“猫の手”ほどにもなりませんでしたが、面倒見て頂いた御恩にこの場を借りて心から感謝申し上げます。

*1LIS1 and NDEL1 coordinate the plus-end-directed transport of cytoplasmic dynein.

 Yamada M, Toba S, Yoshida Y, Haratani K, Mori D, Yano Y, Mimori-Kiyosue Y, Nakamura T, Itoh K, Fushiki S, Setou M, Wynshaw-Boris A, Torisawa T, Toyoshima YY, Hirotsune S.       
 EMBO J. 2008 Oct 8;27(19):2471-83. Epub 2008 Sep 11
2008年度
座古 竜世

私はこの研究室を選んで良かったです。なぜなら学生の実習レベル以上の熱心な指導をうけられたからです。他の研究室の実習であれば、用意されていた研究課題をこなしておしまいですが、ここでは、やる気があれば自分の希望にそった実習ができました。実際に、私は京都の研究所まで連れて行ってもらい実習をしました。雪の降る寒空の中、毎日京都までいくのは正直いうと辛かったですが、他では味わえない研究の醍醐味を学びました。そしてなによりも嬉しかったのは私がお手伝いした実験データが科学雑誌NATURE MEDICINEに掲載されたことです。自主性を尊重した教室の雰囲気によって分子生物学に対する興味がさらに高まりました。

 最後に、ここの研究室で実習してわかったことが二つあります。一つめは、研究室にいると時間がすぐ経つのは、研究室で楽しく実習ができている証拠であること。二つめは、研究室全体が『どうしたらもっとよくなるのか?を追求し続け、人に「オォ!」と言われるまでやってやりたい。』という雰囲気で、目標に向かって一丸となって取り組んでいるようでした。突き詰める意志がある方、熱意をもった方ならきっとぴったりだと思います。ぜひこの研究室をのぞきに来てみてください。