Genus Streptococcus

学術的分類
BacteriaBacillota(門)>Bacilli(綱)>Lactobacillales(目)>Streptococcaceae(科)>Streptococcus(属)

臨床的分類
細菌の分類 >1. グラム陽性球菌 >連鎖状球菌 >A. ストレプトコッカス(Streptococcus)属

 概要

 臨床的には、グラム陽性連鎖状球菌に分類される。「連鎖状の」という意味の“strepto-”と「球菌」を意味する“-coccus”の合成による属名で、顕微鏡下で連鎖状に見えることに由来する。生化学的にはカタラーゼテスト陰性であり、ブドウ球菌との鑑別となる。
 溶血性によって、α(不完全溶血)、β(完全溶血)、γ(非溶血)の3つに大別され、一般に、β溶血性連鎖球菌の病原性が高い*1
 S. pneumoniae肺炎球菌)は、グラム陽性双球菌で、α溶血の中では例外的に病原性が高く、最も重要かつ主要な菌であり、市中肺炎の原因菌としては最多である。β溶血性の連鎖球菌は、細胞壁多糖体抗原の免疫学的差異に基づくLancefield分類*2によりA群、B群などに分類される。A群は、ほぼS. pyogenesと同義であり、B群は、ほぼS. agalactiaeと同義である。劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、感染症法で5類全数把握疾患に定められている。B群溶連菌は、生後間もない新生児における髄膜炎の主たる原因菌である。また、α溶血性の緑色連鎖球菌(viridans streptococci)は口腔内常在菌であり、弱毒であるが、抜歯などの処置に関連した亜急性型細菌性心内膜炎や歯性感染の原因菌として重要である。

 主な菌種

  1. Streptococcus pneumoniae(肺炎球菌)
  2. Streptococcus pyogenes
  3. Streptococcus agalactiae
  4. その他の連鎖球菌

2020年8月20日開設 2022年3月14日更新