大阪公立大学大学院医学研究科 脳神経外科学教室

(旧 大阪市立大学)

研修体験記
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研修体験記:専門医取得

K.Nさん

 私自身は、他大学出身ですが脳腫瘍が非常に盛んな大学であることと地元の関西に帰ってきたかった事もあり、迷いもありましたが大阪市立大学脳神経外科に5年前に入局しました。大学病院で研修をスタートし、大学以外の関連病院を回り、脊椎や脳卒中の症例を中心に執刀させてもらった後に6年目の夏に再度大学病院に戻ってきて研修を重ねました。大阪市立大学脳神経外科研修プログラムでの特色は難しい脳腫瘍の症例が多い事、脊椎の症例が非常に多い事だと思います。もちろん大学でも関連病院でも血管障害の症例は非常に多いですし、大阪市立総合医療センターでは特に小児や血管内の分野の症例を多く経験する事が出来ます。また大学ではてんかん外科も多数の症例があり満遍なく専門医試験に向けての症例を経験する事が出来ます。あまり経験できない分野は末梢神経と深部脳刺激くらいでしょうか。
 今年の専門医試験を実際に受けてみて感じた事は、血管障害の分野で最新のエビデンスはもちろんの事、非常に細かい、ある意味こんな事必要な知識なんだろうかと思うような事まで問われる印象を感じました。また今年は例年にも増して、硬膜動静脈瘻などの血管撮影の問題が多く難しいと感じました。しかしながら今年の他の受験生に聞いてもやはり血管の分野の問題は難しかったようで、大阪市立大学脳神経外科研修プログラムが特別に血管の分野に弱いというわけでもないと思います。その他の分野に関しては神経膠腫のエビデンスを押さえることやあまり経験した事の無い小児の症例、外傷の問題を教科書を調べながら過去問を繰り返し行う事で対応は可能でした。口頭試問に関しては、対策をかなりしたという受験生もいるようですが、今年の同期5人は筆記試験の合格発表があった後に試験対策プリントを数時間見ることでほぼ対応できました。
 専門医試験を合格したことで特に手術の技術があがった訳ではありませんが、やはり知識が増える事で1つの画像をみるにしても、専門医試験を受験する前とは違い、少し見方が深くなったようにも感じます。なくても支障のない専門医の資格ですが、一度こういった機会に体系的に全分野を勉強するということはあながち無駄でもないのかなと現在は思っています。
 これまで御指導頂いた研修施設の先生方や、試験前に十分すぎる程勉強の期間を頂き病棟の先生方には感謝してもしきれない思いです。本当にありがとうございました。