すてーじ

教授ご挨拶

教授 金子
大阪市立大学大学院 医学研究科 細菌学
教授 金子 幸弘
(かねこゆきひろ)
2014年度 教授着任あいさつ
 2014年4月1日より、大阪市立大学大学院医学研究科細菌学の教授に着任いたしました。 元々は長崎の人間で、長崎大学では呼吸器感染症内科の医師として、臨床を志しておりましたが、 国立感染症研究所真菌部を経て、様々な関係者のご支援により、このような機会をいただき、初めて大阪の地に一歩を踏み出しました。

 これまでとは環境が変わり、職務内容も前職とは異なるため、戸惑うことの多い毎日ですが、周囲に助けられながら、徐々に慣れてきました。 細菌学の正式な教員は、私と講師の二人のみですが、秘書と刀根山結核研究所助教、修士・博士課程の学生、学外研究員と、 多様なメンバーで構成されております。教室で誕生会をするなど、アットホームな雰囲気がある一方で、 職務には誠実に取り組んでおり、メリハリの効いた教室です。これからも雰囲気は維持しながら、教育・研究面のさらなる強化を図ります。

 まず、教育面についてですが、大学の教員として初めての経験となる医学部学生三年生の第一回講義を行い、 学生に教える難しさも実感しました。教育は、学生を育てるという面はもちろんありますが、それ以上にまず教員自身が勉強して成長する機会でもあります。 将来の医師に本当に必要な内容をしっかりと検討し、コアカリキュラムの内容を参考にして、感染症学の礎となる実践的な臨床細菌学を目指したいと思っております。 時代とともに学問も当然変化するものでもあり、up to dateな内容も盛り込み、変化に即応できる講義を目指します。 また、難治性感染症の研究を行ってきた自身の経験や、大阪市、本学および細菌学教室の歴史を踏まえて、独自性の部分も伝えていけるよう努めます。

 基礎の教室ですので、当然ながら研究面での期待も大きくなります。 教室の歴史としては、抗酸菌の薬剤に対するトレランスに関する基礎研究を続けており、 私自身も緑膿菌の慢性気道感染症やカンジダのバイオフィルムなど、ともに難治性感染症の要となる研究でありますので、 「難治化因子の解明と克服」を、今後の研究テーマの中心にしたいと思っております。 各メンバーが続けてきた研究テーマを継続しつつ、教室の強みをより活かせるような新たな枠組みとして展開していきます。

 臨床を離れて10年余りとなりますが、臨床への還元という初心を忘れないように研究に取り組みます。 幸いにして、臨床分野で感染制御部に同門の掛屋弘先生と山田康一先生が在籍しておりますので、臨床の勉強も同部でさせていただいております。 臨床研究も実施しやすい恵まれた環境にあり、感染制御部をはじめ、臨床部門とタイアップして、臨床的に有意義な研究を目指します。 また、これまでも、多くの外部組織と連携して研究に取り組んでまいりましたが、基礎研究分野や行政組織をはじめ、 可能な限り外部組織にもご支援をお願いして、細菌学教室を盛り上げていきたいと考えております。
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