専門外来一覧
腫瘍外来

当科では、病理学的に頭頸部悪性腫瘍診断確定後は、腫瘍初診外来(月曜午後:予約制)を受診していただき、病状説明および治療方法についてインフォームドコンセントを行い、治療方針を決定しております。
 手術では、当科単独で施行する頭頸部癌手術(喉頭部分切除術・喉頭全摘出術・舌腫瘍摘出術・頭頸部郭清術など)に加え、形成外科や腫瘍外科(消化器外科)の協力のもと、再建を要する手術(有茎皮弁:大胸筋皮弁・広背筋皮弁、遊離皮弁:前腕皮弁・腹直筋皮弁、遊離空腸など)を行っており、良好な結果を得ております。また、術後の機能性障害を考慮し、従来の化学療法併用放射線治療に加えて、回転型強度変調放射線治療(VMAT)やInduction chemotherapy(導入化学療法)を積極的に行い、手術回避や切除範囲を縮小することにより機能温存を図っています。また、表在型咽喉頭癌に対して、当科単独で行う、または消化器内科と共同で行う経口的切除や内視鏡下治療も行っております。薬物療法も進歩しており、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬をはじめとして再発・転移後の生存期間を延長するエビデンスのある治療法が開発されてきており、当科でも施行しております。また、鼻腔副鼻腔腫瘍に対し、より低侵襲な経鼻内視鏡下切除術を積極的に行っております。


当院では、日本頭頸部癌学会の主導する頭頸部悪性腫瘍登録事業に参加しております。
詳細については下記リンクをご参照ください。

大阪市立大学医学部附属病院に頭頸部癌で通院歴のある患者様へ
めまい外来

めまい外来は毎週月曜日に行っております。良性発作性頭位めまい症の患者様には、浮遊耳石置換法を行い良好な成績をおさめております。また、良性発作性頭位めまい症に対して自宅で行う運動療法を積極的に導入し、慢性めまいや再発を繰り返す頭位めまい症患者様などに効果を認めています。メニエール病でめまいの発作頻度が多く、内服、点滴等でコントロールが困難な患者様には中耳加圧療法、ゲンタマイシンの鼓室内注入術、内リンパ嚢開放術を施行しております。現在めまいを主訴に受診された患者様は初診時に眼振検査、聴力検査、血液検査などを行い、後日に温度刺激検査や視運動眼振検査・追跡眼球運動検査、必要があれば頭部の画像検査、video Head Impulse Testなどを行い、2~4週間以内に当外来の診察に回っていただけるようにしております。さらに検査が必要な難治症例には入院でのVEMP、SVV、蝸電図などの検査も行っております。


当院では「めまい症状の悪化(難治化)や再発に対する危険因子」に対する臨床研究を行っております。
詳細については下記リンクをご参照ください。

大阪市立大学医学部附属病院にめまいで受診された患者様へ
慢性中耳炎外来

当外来は従来どおり、初診後の検査結果・病状説明・方針決定を毎週火曜日に、毎週水曜日には再診を行っております。初発および再発真珠腫性中耳炎の手術適応症例、治療の方向性の検討、および術後の定期管理を中心に行っております。慢性中耳炎、耳硬化症、真珠腫性中耳炎の一部は内視鏡下手術(TEES)も積極的に取り組んでおります。現在は、全耳手術の2/3がTEESとなっております。

難聴・耳鳴外来、TRT外来

主として感音難聴とそれに伴う耳鳴の診断と治療を行っており、外来診療の中心は、変動性の難聴や感音難聴の急性増悪に対する治療や進行性感音難聴の聴力フォローなどで、補聴器が無効な両側重度難聴症例に対しては人工内耳の加療をしております。
新生児聴覚スクリーニング後の精密聴力検査やその後の補聴器装用指導、療育機関と連携を取りながらの聴覚管理も行っております。補聴器装用が有用と考えられる成人の患者様については、補聴器外来でのフィッティングから装用指導や聴覚管理を一貫して行っています。
当科では以前より難治性で苦痛度の高い耳鳴症例に対してTRTという耳鳴治療を導入しており、大きな成果を上げています。補聴器を主とした耳鳴治療を目的に、他病院からの紹介も多数頂いています。
TRTではSound Generator機能のついた補聴器も使用して、中等度から高度の難聴のある場合にも積極的にこの治療を行っています。実際の適応については基本的に耳鳴苦痛度の高い患者様を対象に症例ごとに判断しながら導入を決めています。ただしSound Generatorや補聴器を購入していただく必要がありますし、難聴の状態などによって一定の適応限界もあります。受診希望の場合は、まず一般の患者様と同様に初診外来の受診が必要です。聴覚検査や耳鳴苦痛度の評価を行い、適応と判断されるようでしたらTRTの初診予約を取らせていただきます。その後カウンセリングとSound Generatorや補聴器の調整および1ヶ月間の貸し出しを行ってから、継続治療を希望される方には補聴器を購入し、本格的に導入していくことになります。


当院では「耳鳴症状の悪化や改善に対する因子」に対する臨床研究を行っております。
詳細については下記リンクをご参照ください。

大阪市立大学医学部附属病院に耳鳴症状で受診された患者様へ
補聴器外来

難聴のために日常生活や仕事に支障がある方には積極的に補聴器の装用をすすめ、希望者にフィッティングを行っております。実際のフィッティングは毎週金曜日の午後に行っております。
具体的な流れとしては、聴覚検査結果をもとに調整した補聴器を実際に装用し、補聴器を通して入ってくる音声、環境音や雑音の聴こえ方をまず体験してもらい、補聴器装用時と裸耳で音場語音検査を行います。自覚的な有用性と検査上の有効性を評価したうえで、購入を希望される方には認定補聴器専門店を紹介しています。補聴器購入後のフォローアップも重要であり、言語聴覚士と協力し装用指導や聴覚管理も行っています。
このような従来の聴覚補償を目的とした補聴器装用のほかにも、最近は耳鳴治療機器としての補聴器の応用にも取り組んでいます。中等度以上の難聴者において耳鳴への順応を促すための音響療法の機器として補聴器の有効性は認められており、難聴外来のTRT治療と連携しながら耳鳴の治療のために補聴器を使うことの有用性について検討しています。

睡眠時無呼吸外来

代謝・内分泌内科、呼吸器内科、神経精神科とともに睡眠センターが運営されており、当科では主に外科的治療が必要と判断された場合の院内紹介の患者様を担当しております。入院していただいての終夜PSGが可能であり、より正確な評価が可能です。また、他院からの紹介患者様については以前と同様に耳鼻咽喉科的見地から診療を行っております。主に問診、ファイバー所見、画像、簡易型PSGによって診断を行い、鼻副鼻腔手術や咽頭手術の適応があるか否かの判断や生活習慣の指導、重症度に応じてCPAPやAVSの導入を行っています。また、必要に応じて生活習慣病センターや当院口腔外科へのマウスピース作成を含めた院内紹介も行っています。CPAP導入後の患者様につきましては病診連携の体制で近医クリニックへ依頼しております。

アレルギー外来

主としてアレルギー性鼻炎に対して、舌下免疫療法を積極的に行っています。舌下免疫療法は、ご紹介していただいた先生方のご支援によりダニに対する免疫療法では200例以上と大学病院では国内有数の症例数を有するまでになりました。スギ舌下錠の発売によりスギに対する免疫療法患者様も増加しております。これに伴い、研究に関する連携の依頼も増加し、スギ・ダニの同時舌下免疫療法の臨床治験に参加しその有用性を評価することができました。福井大学との共同研究も進行中です。また、舌下免疫療法はアレルギーの進展を予防するという観点から小児での有用性が指摘されており、当科でも当院小児科アレルギーグループと連携し、小児に対しても積極的な導入を行っております。

遺伝・機能性難聴外来

これまでの遺伝外来を改変し、遺伝・機能性難聴外来を開設しております。
外来は大きく遺伝難聴をはじめとする遺伝疾患に対する遺伝カウンセリング、遺伝子検査の実施と、小児から成人に至る、機能性難聴(心因性難聴)、聴覚情報処理障害(APD)に対する対応とに分けられます。


– 遺伝難聴・遺伝疾患
先天性難聴の中で遺伝難聴の占める割合は50%を超えており、100種類以上の難聴遺伝子が同定されています。外来では新スク後の乳幼児から成人までの難聴の原因検索のため、まず遺伝難聴に対するカウンセリングを行い、同意を得て保険検査を行い、変異が認められなかった場合は追加検査を実施しております。追加検査は東京医療センターと共同研究を行っており、次世代シーケンサーを用いた分析100種類以上の遺伝子の検索が可能です。2016年9月の検査開始以来150例以上の検査を実施しています。難聴遺伝子の解析は年ごとに進歩しており、遺伝子の同定により難聴の原因が同定されることによりiPS創薬などにより治療薬の開発も進んでいます。


– 機能性難聴(心因性難聴)、聴覚情報処理障害(APD)
学校検診で発見されることの多い、機能性難聴の中に発達の問題を持つ児が80%以上いることが明らかになっており、機能性難聴の発達面の評価の重要性が高まっています。このため、当外来では機能性難聴を、聴力(純音、語音、音場言語、ABR、ASSR、OAE)、発達(WISC-IV、WISC-III、K-ABCなど)の両面から評価して適切な支援を提供しています。また、聞き違いを訴えるにも関わらず、純音聴力検査が正常な、いわゆる聴覚情報処理障害(APD)は、現在、非常に注目されており当科はAPD研究の第一人者である国際医療福祉大学の小渕千絵先生の助言を得てAPD検査を導入し、APDの診断、支援を開始しています。近隣他府県より多くの紹介を得ています。機能性難聴、APDとも自閉症スペクトラム障害、注意欠陥多動性障害、学習障害(LD)との関連も注目されています。