子宮内膜は月経周期に伴って分厚く増殖して、月経時には剥がれ落ちて出血します。子宮内膜が異常に分厚く増殖しいろいろな症状を引き起こす場合があり、このような状態を子宮内膜増殖症とよんでいます。

内膜を構成する子宮内膜腺の細胞の核が変になっているものは細胞異型があるといわれます。この場合は子宮内膜異型増殖症とよばれます。別の分け方として構造上の持徴から単純型と複雑型に分けられます。細胞異型の有無が非常に重要です。

異型なし：
子宮内膜増殖症癌化の可能性は低い
単純型子宮内膜増殖症と複雑型子宮内膜増殖症があり
がんへの進行は1-3%といわれています。

異型あり：
子宮内膜異型増殖症　前癌状態であると考えられています。
単純型子宮内膜異型増殖症と複雑型子宮内膜異型増殖症があります。
癌化のリスクが高く、単純型で8%程度、複雑型で29%とされています。また子宮内膜異型増殖症との診断で子宮を切除した場合、すでにがんが並存する率は17%-50%とされています。出産を希望しない場合は子宮摘出手術が勧められます。出産を希望する場合は子宮内膜全面掻破の後ホルモン剤による治療を行うことがあります。

子宮内膜の細胞診や組織診を行って異型の有無や子宮体癌との識別をします。

異型の有無と、年齢、今後の出産希望の有無により治療法を選択します。

　　　　　自然経過で経過観察　定期検査
　　　　　ホルモン療法（ピル　プロゲステロン剤など）
　　　　　偽閉経療法
　　　　　子宮内膜全面掻破
　　　　　子宮摘出手術（異型があり、高齢や出産を希望しない場合）