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産科領域>妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)
妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)とは?
以前は『妊娠中毒症』と言われていましたが、産婦人科学会により妊娠高血圧症候群に改められました。
妊娠高血圧症候群の定義は、「妊娠20週(5か月)以降、分娩後12週まで高血圧が見られる場合、または高血圧に蛋白尿を伴う場合のいずれかで、かつこれらの症状が単なる妊娠の偶発合併症によるものではないもの」とされています。
こんな症状があらわれます
「血圧の上昇」「むくみ」「尿蛋白」が3大症状です。
むくみは妊婦さんの約30%に見られますが、すぐ妊娠高血圧症候群に結びつけるのは間違いだとされ、定義からは外されています。症状が出やすいのは妊娠8ヶ月以降の後期で、約1割程度の妊婦さんが発症します。
こんな検査で診断します
妊婦健診では血圧測定、尿検査を行います。
妊娠中の高血圧とは最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上のことをいいます。
尿タンパクの検査は試験紙に尿をつけタンパクがどのくらい漏れているかを調べます。 15mg/dl以下(−)、15〜30mg/dl(±)で陰性、30mg/dl以上(+)出ていると陽性となります。
むくみは足の「すね」の部分を押さえてチェックしたり、体重が急激に増えていないかをチェックします。
こんな治療法があります
早期に発見し、適切な処置を行い、安静にすることで母体の循環と子宮胎盤の循環が改善されます。
食事療法
1日7〜8g程度の食塩摂取、カロリーや蛋白質はBMIに応じた基準値が設定されています。動物性脂肪と糖質を制限し、高ビタミン食がすすめられています。
薬物療法
高血圧に対しては降圧薬が用いられますが、必ずしも病態の改善にはつながりません。胎児の発育不全や健康状態の悪化をまねきやすいので、定期的に発育と健康状態のチェックが必要です。
妊娠高血圧症候群の根本的治療は妊娠の終了です。母体または胎児に重篤な症状が現れた場合には、すみやかに妊娠を終了させることが母体の生命保護のために重要です。
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特記事項
2010年12月1日更新