教室について
多胎妊娠
産科領域>多胎妊娠
多胎妊娠とは?
多胎妊娠2人以上の赤ちゃんを同時に妊娠することを「多胎妊娠」といい、2人以上の赤ちゃんを同時に出産することを「多胎分娩」といいます。
双胎(そうたい)妊娠(ふたご)には一卵性双胎と二卵性双胎とがあります。二卵性双胎は2個の受精卵から発生したもので、2個の胎盤があり、二絨毛膜(じゅうもうまく)二羊膜(ようまく)となります。一卵性双胎は1個の受精卵が分裂することにより発生し、分裂の時期により二絨毛膜二羊膜、一絨毛膜二羊膜、一絨毛膜一羊膜のいずれかとなります。
こんな症状があらわれます
つわりが強く、子宮の増大が速いことがあります。切迫早産、妊娠高血圧症候群、貧血、子宮内発育遅延を併発しやすくなります。
大きなおなかを支えるために骨盤に負担がかかり、腰痛も出やすくなります。また、骨盤周辺の血流が悪くなるため、こむらがえりや静脈瘤などがみられることもあります。そのほか便秘、頻尿、妊娠線なども、ひとりの赤ちゃんの場合より、よく見受けられる症状です。
こんな検査で診断します
妊娠がわかってすぐに超音波検査をすれば、早い時期に知ることができます。
こんな治療法があります
多胎妊娠の一般的な治療として重要なのは、早産と妊娠高血圧症候群の予防です。早産の発生は単胎妊娠の約9倍であり、妊娠中期からの入院安静、予防的な頸管縫縮術(けいかんほうしゅくじゅつ)(子宮頸部を輪状に縫縮する)などさまざまな早産予防のための試みがなされていますが、すべてのケースに対して行うべきであるかについてはむしろ否定的です。
お産方法と処置について、多胎妊娠では、できればNICU(新生児集中治療室)やM-FICU(母体胎児集中治療室)のある施設、あるいは小児科が併設されている産院で出産するのが望ましいです。経腟分娩ができるかどうかは、赤ちゃんたちの胎位(子宮内での姿勢)や大きさ、お母さんの合併症の有無などを考慮して判断します。ただし、三つ子以上の場合は安全のために帝王切開になることが多いです。
関連リンク
特記事項
  • 2010年12月1日更新