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快適・抗疲労空間の開発

疲労医学が解明した「真の快適空間」とは?

快適と感じる室温や湿度も、長時間同じ温度・湿度で固定化されると、実は疲れやすく眠気を催しやすいことをご存じですか?

エコナビスタシステム

ゆらぎの環境とは、まさに「木漏れ日の下でそよ風そよぐ自然環境」そのものです。 朝には朝の優しい光、昼には昼の明るさ、夜には夕焼けの温かい灯りを感じながら、そよ風の動きを感じる(=湿度や温度がたえず変化する)環境こそが、真の癒しであり抗疲労になります。人間も動物の一種。実は自然に近い環境が最も疲れないコツなのです。

当研究室では、居住・オフィス・車内空間を快適にするアルゴリズムも開発をしています。

共同研究先であるエコナビスタ株式会社では、当研究室の研究成果を活用して、エアコンのみならず照明、床暖房、システム給湯、排気窓、換気扇などトータルで自動ゆらぎ制御することで、快適かつエコロジーな空間を演出するシステムを開発しています。

各種生体センサーで得られた情報と、快適指標(PMV)を基に、疲労医学のアルゴリズムをフィードバックし、子供部屋・リビング・寝室を最適環境に自動制御します。

イミダペプチド(CBEX-Dr)発表論文一覧

私たちは、9名の被験者に、3種類の環境の中で4時間、車の運転してもらい、そのときの疲労感と疲労度を測定しました。 3種類の環境とは以下の通りです。

・固定環境:本人が「最適」と指摘した室温と湿度に固定した環境

・「最適」と指摘した温度を±1℃の範囲で常にゆらぎを与えた環境

・本人の指示により室温を調節しながら、さらにカオス的なゆらぎを与えた環境

その結果は、最適という温度で固定するより、常時、ゆらぎを与えた方が疲労感も少なく、かつ作業効率の低下も少ないことが分かりました。

疲労医学が解明した「真の快適空間」とは?

疲労感、眠気は、室温を固定した方が増強。
適宜、ゆらぎを持たせた方が疲労感も眠気も少ない。

作業効率は、室温を固定した方が低下しやすい。
適宜、ゆらぎを持たせた方が作業効率の低下が抑えられる。
さらに、体感温度をフィードバックすることでさらに作業効率の低下を抑制できる。