すてーじ

10月のお題

起こすなよ 日和見怪物 リョクノーキン

ハロウィン

 

今月のキャラクター  

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解説  

普段はおとなしい緑色のモンスター
 最近は、各地で仮装パレードが開催されるなど、ハロウィンもすっかり日本に定着した感があります。かわいらしい仮装もまれにありますが、多くはグロテスクな場合が多いでしょうか。中には、リョクノーキンのような怪物もあるかもしれませんね。
  ということで、今回は、バイキン界のモンスター、リョクノーキン(緑膿菌)をご紹介します。漢字から想像される通り、緑色の膿(うみ)の原因となる菌です。緑色の原因は、ピオベルジンやピオシアニンという、緑〜青っぽい色素を産生するためと考えられています。ある医師がタイムスリップして江戸時代で活躍する某人気ドラマでも、ヒロインの一人が怪我をして、包帯にべっとりと緑色の膿がついているというシーンがありました。これまで感染症の特効薬されていたペニシリンも効かないという設定でした。まさに、ドラマの通りで、この菌は抗菌薬が効きにくいとても厄介な菌です。実は、我々の身の回りによくいる菌で、健康な人に病気を起こすこともない普段はとてもおとなしい細菌なのですが、ひとたび起こしてしまうと、ゴジラさながら、退治するのが難しい怪物のような存在です。
  緑膿菌は、人の体の中よりも自然環境にいる方が得意で、少ない栄養源で生きられるという特徴を持っています。また、環境中には沢山のライバルがおり、縄張り争いを繰り広げていますが、特に、カビが作り出す抗菌物質(≒抗生物質)が細菌にとっての天敵になります。このような環境で生き残るために、「タフに」育ち、人側の視点からは、「耐性菌」ととらえられてしまいます。
  抗菌薬の発見によって、様々な感染症が治療できる時代となりましたが、抗菌薬を使いすぎると、普段はおとなしい菌であるはずの緑膿菌が生き残り、皮肉にも緑膿菌による感染症の引き金となってしまいます。緑膿菌自体は、古くからいる菌ではありますので、近年増加している緑膿菌による感染症は、ある意味、人が作り出したものとも言えます。抗菌薬の使用は、なくてはならない存在になっていますが、緑膿菌などの耐性菌から学んだ教訓として、近年は適正に使用しなければならないと考えられるようになりました。ちなみに、ゴジラは、核実験の放射線で恐竜が変異した生物という設定で、人が作り出したという意味でも共通しています。緑膿菌もゴジラも、「怪物」に見えるわけですが、実は「大量殺戮兵器」を使用する人間のエゴを移す鏡なのかもしれませんね。

季節の標語シリーズ  

お正月 豆まき
ひな祭り 春
こどもの日 梅雨
腸内 海賊船
月見 ハロウィン
秋 クリスマス