診療と研究

胆膵領域における内視鏡診断・治療

今日、膵臓や胆嚢、胆管に発生した様々な疾患に対する診断、治療において、内視鏡は多くの重要な役割を担っています。当科でも、超音波内視鏡検査(Endoscopic ultrasound; EUS)や内視鏡的逆行性胆管膵管造影法(Endoscopic retrograde cholangiopancreatography; ERCP)、さらにそれらを応用した様々な検査・治療を積極的に行っています。

膵臓には、多種多様な疾患が生じるため、CTやMRIといった画像診断だけでは診断確定に至らないことも多く、診断には専門的な知識が必要です。また、胆管に生じる腫瘍は、大きな塊を作らずに進行していくことがしばしばあるため、診断自体が難しいことも多く、さらに、病変範囲を正確に判断することも容易ではないことが多いのが実情です。

当科では、内視鏡的逆行性胆管膵管造影法だけでなく、積極的に超音波内視鏡検査を用いることで、より安全、迅速、かつ正確に診断を行い、早期に適切な治療ができるように努めています。また、この領域は外科、放射線科、病理診断科など、他科との緊密な連携が非常に重要であり、定期的にカンファレンスを行い、積極的な情報共有、意見交換を行っています。また、肝門部の胆管閉塞に対する適切な治療方法の探索や、内視鏡的逆行性胆管膵管造影法をより安全に行うために、偶発症のリスクに関する探索や予防法に関する研究を行っています。