すてーじ

5月のお題

こどもの日 ビブリ男バトルに ご用心

こどもの日

 

解説

ビブリオバトル
皆さん、ビブリオバトルをご存知でしょうか?こどもの日に、ビブリオバトルを開催しているところもあるようです。バトルといっても、殴り合いではありません。この場合の「ビブリオ」はbiblioで、本という意味で、本を読む大会です。 ちなみに、細菌学の世界でビブリオといえば、コレラ菌などのビブリオ(Vibrio)属の細菌を思い浮かべます。今回は、駄洒落でビブリオ属の細菌が戦うという意味で「ビブリ男バトル」のお話です。
ビブリオ属の一般的な特徴は、よく動くことです。顕微鏡で見たときに、振動しながら動く、バイブレーション(vibration)している菌という意味でビブリオという名称がついたといわれています。鞭毛と呼ばれる毛を振り回して動きます。ほとんどの菌は頭に(お尻というべきかもしれませんが)一本だけ長い毛を持っています。たまに沢山毛が生えている菌もいます。また、環境中では水の中や魚介類の中に生息しています。このような細菌ですが、病気を起こしやすい「暴れん坊」がいくつかいるのでご紹介いたします。
まず、コレラ菌です。正式名称はVibrio cholerae(ビブリオ・コレレ)です。より正確には、Vibrio choleraeのうち、コレラ毒素を持つ菌のことを指します。コレラ菌は、川などの淡水を好み、塩分の高いところには生息しません。コレラ菌は、水のような下痢、水様下痢を起こします。尚、コレラは、感染症法という法律で、上から3番目に危険な感染症(三類感染症)として定められています。下水道の発達していない地域では、川がコレラ菌に汚染されていることがあり、そのような水を飲むことで感染します。
次に、腸炎ビブリオ、正式名称はVibrio parahaemolyticus(ビブリオ・パラヘモリティクス)です。コレラ菌と異なり、塩分の高いところの方が大好きです。コレラほどひどくはありませんが、下痢を起こします。多くは魚介類を食べることで感染します。 最後に、ビブリオ・バルニフィカス、正式名称はVibrio vulnificusです。腸炎ビブリオと同様、海水に多くいる菌です。魚介類を食べることで感染しますが、下痢だけではなく、血液の中に菌が入り込んで、重篤な全身感染を引き起こします。いわゆる「人食いバクテリア」の一種です。ただし、元々健康な人が感染することはほとんどなく、免疫が低下している人は注意が必要です。また、お酒を沢山飲む人は罹りやすいと言われています。
いずれも菌の場合も、熱に弱いのでしっかり火を通しておけば感染することはほとんどありません。これから温かくなって食中毒も増えます。ビブリオだけではありませんので、食べ物飲み物には注意しましょう。

季節の標語シリーズ  

お正月 豆まき
ひな祭り 春
こどもの日 梅雨
腸内 海賊船
月見 ハロウィン
秋 クリスマス