すてーじ

11月のお題

柿食えば 姫が来るなり マクロファー寺

11月の標語

 

解説

下気道感染を起こす非定型菌
 気道は、空気が通る道で、鼻の穴から始まり肺胞(肺を形成する小さな袋)で行き止まりになっています。また、声帯の辺りで、上下に分けるのが通例で、鼻腔、咽頭、喉頭を上気道といい、気管、気管支、細気管支、肺胞を下気道と呼びます。 下気道感染症の代表が、肺炎で、肺炎球菌やインフルエンザ菌が二大原因菌です。両者とも、典型的な肺炎を起こすのに対して、通常の肺炎とは異なる様相を示す細菌がおり、非定型菌と呼んでいます。その代表例が、今回ご紹介する、マイコプラズマとレジオネラです。
 マイコプラズマは、子供に多い肺炎の一つで、発熱などの一般的な症状に加え、しつこい咳が出ることが特徴です。また、典型的な肺炎と異なり、痰が少ないという特徴もあります。飛沫(くしゃみや咳)で感染し、家族内で流行することが多く、2011年に報道された愛子様と天皇陛下の肺炎もマイコプラズマによるものと考えられています。 一方、レジオネラは、水の中にいるアメーバを棲家として増えるため、水のある環境がしばしば感染源となります。特に、24時間風呂のような循環式の入浴施設での集団発生が問題となることがあります。 自然の温泉からもレジオネラの一種が分離されることがあります。免疫を抑える薬を内服中の方などは、レジオネラにかかりやすく、重症化しやすいことが知られていますが、健康な人でもかかることがあります。
 最後に、マイコプラズマとレジオネラが、「非定型菌」と呼ばれるもう一つの重要な理由について説明します。肺炎球菌やインフルエンザ菌の場合、ペニシリンまたはその仲間の総称であるβ-ラクタムという抗菌薬が有効ですが、「非定型菌」にはβ-ラクタムが無効で、それ以外の抗菌薬を使う必要があります。 医師が、マイコプラズマやレジオネラを疑うためには、症状だけでなく、病歴(家族の別の方が同様の症状、温泉に行ったなど)が重要なヒントになります。かからないようにすることは大切ですが、もしかかってしまったら、早めに診断するため、医師に「ヒント」を教えてあげてくださいね。

季節の標語シリーズ  

お正月 豆まき
ひな祭り 春
こどもの日 梅雨
腸内 海賊船
月見 ハロウィン
秋 クリスマス